1次産業(農林 水産葉)は、単なる素材供給にとどまらず、加工(2 次産業)や販売(3次産業)も手掛ける6次産業化を目指すべきだといわれだして久しい。 
長年、漁業や農 業の現場を見てきた新井章吾さんは、1次産業は6次産業化の前に「0次産業」をしっかり確立すべきだという。
農林水産業の基盤は自然だ。自然とは、見方を変えると物質循環の大システム。森の落ち葉も、動物の死骸も、そして私たちの生活残渣も、最後は微生物に分解され元素に戻る。
漁業や農業は、その循環のしくみを借りたものだが、1次産業の現場は、自分たちが依って立つ基盤の重要生に対し鈍感だと、新井さんはいう。
いま、日本の川や沿岸の多くがコンクリートで固められている。地下水や海底湧水によっても行なわれてきた陸と海の間の物質循環が断たれ、生き物の生息環境だけでなく1次産業の生産性にも影響を及ぼしている。 
自然は社会共通の資本。
1次産業を健全化するには、今ある自然を保全するだけでなく、修復や再造成も行なう、これまでと180度違う発想の基盤整備事業が必要だ。
新井さん はこれを0次産業と名付けた。 
たとえば藻場の再生。移植で終わらせるのではなく、森と海底湧水の関係性なども踏まえた大きな事業計画が必要で、そこには1次産業の伝統的な知恵も加えるべきだという。
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